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投資レポートの読み方(機関投資家向けレポート編)

投資全般
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株や債券、リートなんかに投資している人は証券会社や運用会社が出している「投資レポート」を読んだことがあると思います。この投資レポートの作成事情を知ると、見方が変わってくると思いますのでちょっとご紹介いたします。書いていたらちょっと長くなってしまったので、機関投資家向けレポート編とリテール向けレポート編に分けることにしました。

投資レポートについて

注意!
注意!

最初にお断りです。ここに書いてある内容は私が金融業界に勤めていた今から20年程前~2年前のお話です。直近は多少事情が異なるかもしれません。

要点

証券会社や運用会社の投資レポートは知識を深める為だけに使うべきで、その投資判断を真に受けてはいけない。

投資レポートの種類

証券会社や運用会社が扱っている投資関連のレポートというのは大きく分けて2種類あります。

一つは機関投資家向けのレポート(運用会社においては社内用のレポートとなります)。もう一つはリテール向けのレポートです。

前者の機関投資家向けレポートはその会社のHPなどには掲載されませんので、目にする機会はあまりないと思います。

ネット証券会社などは外資系証券会社から機関投資家向けレポートを買って掲載しているケースもあります。

ただし、フルレポートではなく、表紙のみといった形で掲載されるケースが多いと思います。

そして、もう一つのリテール向けのレポートは証券会社や運用会社のHPにも掲載されていることが多いし、対面証券の場合は営業に用いられることもあります。

証券会社の営業員が訪問してくると、山のように紙切れを置いていくと思います。その中に個別企業のレポートや投資環境のレポートが含まれているはずです。

最近はタブレットでさらっと見せるだけというケースもあるわよ。

あ、ちなみに私は機関投資家向けレポートを証券会社、運用会社で各4年、リテール向けレポートを証券会社で半年ほど書いていたことがあります。

機関投資家向けのレポート

たまにニュースで「大手外資系証券が〇〇企業のレーティングを上げたことで株価が高騰しました」(逆もあり)といったことを聞くことがあると思います。

こういうのは基本的に機関投資家向けのレポートです。しかもかなり影響力のあるアナリストのレポートに限定されます。

これ、現役の時は羨ましかったですね~なにせ、自分が推奨した通りに皆が売買するので予想が勝手に当たるんですよ。

アナリストランキング(今だと国内は日経ベリタスだけ)のトップアナリストとかの更に1部の人しかこういうことになりません。

一般の投資家がこういったレポートを株価が変動する前に入手することは多分できません

実際どのようなものか

ここでは証券会社のアナリストが書いている機関投資家向けの個別企業のレポートに焦点を当てます。

機関投資家向けのレポートにはどのようなことが書いてあるかというと、様々ではあります。

ただ、プロがプロ向けに書いているという大前提があります。なので専門用語なんかはよほど特殊なものでもない限り説明はありません。投資指標なんかについては、普通の人が見たら「何でそうなるの?」という位途中の理屈が省略されていたりもします。

内容も当該企業やその競合企業、周辺企業への取材を元にその企業の「事業構造」や「当該企業の強み」、「営業環境」、「新製品開発動向」、「将来の収益予想」など多岐に渡る詳細な分析を記載してあり、数十~百数十ページにもなるものもあります。

詳細なレポートはちょっとした本ですよ。ただ株式投資するだけだと情報過多でもあります。

決算速報的に早さが勝負で事実だけが書いてあるようなものもあるわよ。

要するに普通の人が見てもあまり投資には役に立たないし、疑問に思ったことを問い合わせられても困るから公開してないんですね。

細かい内容を問い合わせされても、コールセンターの職員はそんな内容は分かるはずがありません。

かといって年収何千万円といった高給取りがいちいち個別の電話対応なんて費用対効果の面からもできません。

ちょっと脱線①(極端なレーティング)

機関投資家向けのアナリストは基本的に人気商売です。人気を取るためにはまず認知してもらわなければなりません。

なので、一発勝負に出るアナリストというのもいたりします。どういうことかというと極端なレーティングを付けたりするんですね。

例えばその証券会社のレーティングが1~5までの5段階あったとしましょう(「1」が一番良いとします)。そうすると通常は2~4が使われて、よっぽど良くない限り「1」は付かず、ましてや「5」なんかはほとんど使われません。

今は無いと思いますが、ちょっと前までは「5」を付けたら取材など出入り禁止になったりする企業がありました。

かなり大手のグループ企業がですよ。

で、結構前の話ですが、そういった勝負に出たアナリストがいました(本人はそういう気じゃなかったのかもしれませんが)。

私は担当していたセクターが違ったので実際見た訳ではないのですが、とある結構大手の企業をボロクソに書いて、レーティングを思いっきり引き下げた(上記例では「5」)みたいなんですね。

そしてその後は大荒れ。上場企業は決算を発表すると大抵はアナリスト向けの決算説明会を開催します。その席でその企業の社長が、

社長
社長

どこかの馬鹿アナリストがいい加減なことを書いてるけど、そういったことはありません。

みたいなことを言ったみたいなんですよ。そしたら、そのアナリストが「バンッ!」と強く机を叩いて、

某アナリスト
某アナリスト

私は馬鹿ではないっ!

なんてやり取りがあったみたいですね。

良い悪いは別にして、その場にいなかったファンドマネージャーなんかにも名前が認識されたので、有名になるという意味では大成功した例ですね(笑)

ちょっと脱線②マニアなアナリスト

企業を外から見て分析するのはやはり限界があります。でも、より深く知っていた方が説得力のあるレポートが書けます(実際はレポートよりも機関投資家向けのプレゼンでの説得力が増す)。

こうした悩みは大抵のアナリストなら持っているはずです。

そうした中、あるアナリストは証券会社を休職して、分析対象の企業が経営する店舗で働き始めるという行動にでました。

どういう形態で働いたのかは知りませんが、半年位の期間だったと思います。

多分業界関係者がこの話を聞いたら誰の事かすぐ分かると思います(確かまだ現役だったはず)。

ここまでしたアナリストの書く事(いう事)って説得力ありませんか?当然人気アナリストです。

ちなみに、一発狙おうが、マニアックに調査しようが株価予想の精度はそれほど上がりません。というより、機関投資家向けのレポートはその分析内容が重要なのであって、株価のレーティングはおまけのようなものなんです。

レポートはどう使われているのか

上記で「株価のレーティングはおまけのようなもの」と書きました。

実際こういったレポートを機関投資家がどう使っているのかが分かると、その意味が分かると思います。

ここで機関投資家の性質を理解するために知る必要があることがあります。

機関投資家は、一つ一つの投資判断に明確な根拠が必要ということです。

機関投資家の中でこの辺が最も顕著なのは年金を運用しているファンドマネージャーですね。年金って「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が全て運用しているわけではなく、民間に委託してるんです。で、委託された運用会社のファンドマネージャーは半年に一度(最近は頻度が変わってるかも)GPIFに運用成績を説明に行きます。

その時、成績が悪いと相当な「詰め」を食らうみたいです。その時申し開きができるよう、一つ一つの銘柄について、どのような情報を元に、どういった投資判断をして買ったか、売ったかを明確にしておかなければなりません。

なので、機関投資家は詳細な情報(投資判断の材料)が書かれたレポートが必要なんですね。

内容はスカスカだけど、株価のレーティングはよく当たるといったレポートに価値はありません。

そもそもファンドマネージャーは投資判断をするのがお仕事ですから、それを人任せにすることはありません。

おまけ・・・あの人のレポートって意味あるの?

ちなみに、年がら年中強気のレポートしか書かないストラテジストとか、その逆でいつも弱気のレポートしか書かないエコノミストっている(いた)じゃないですか?

独立して自分の調査会社を立ち上げた人とか、内閣府大臣官房審議官になっちゃった人とかです。

ああいう人達って、こういった買った理由とか売った理由を明確にしなくてはいけないファンドマネージャーに(言い訳の)材料を提供するという意味で大いに役に立ってるんですよ。

機関投資家向けレポートのレーティングは参考にしてはいけない

というわけで、機関投資家向けレポートというのはレーティングに重きは置かれていません。レポートを書いている時点と、それが誰かに読まれている時点には時差がありますし、その間に株価も動いているので当たり前といえば当たり前なのですが・・・

なので、仮にそういったレポートが入手できる環境にあったとしても、読み物として楽しむ方が良いと思います。大抵は投資判断を左右するようなものではなく、「へぇ~そんなこともやってるんだ」とか、「ほ~興味深いね」といった内容だと思います。

上でレーティングで株価が動くって書いてない?

あれ実は証券会社の自己売買部門とかの足の速い資金の動きなんだよね。だから「買い」でも短期的な上昇だけで、そこからずっと上がるってことは稀なんだ。

長くなってしまったのでリテール向けレポートについては後日書くことにします(この記事があまり読まれなかったら書かないかもしれませんが)。

後日、リテール向けレポートについて書きました。よろしければご覧ください。

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