投資信託の選定時にファンドアワードを参考にしてはいけない理由

投資信託・ETF等

「この投資信託は2018年のファンドアワード最優秀ファンドです」と立派なバナーと共に販売会社のHPに書いてあったら皆さんはどういう印象を受けますか?少なくともプラスの印象を受けると思います。でも、このファンドアワードって必ずしも優秀なファンドだけを表彰してるんじゃないんですよ。

本記事のポイント
  • ファンドアワードを受けたファンドは必ずしも優秀ではない
  • 優秀だったとしても、今後優秀であり続ける保証はない
  • ファンドアワードは関係会社が儲かる仕組みであって、投資家の為のものではない

よってファンドアワード受賞だけを理由に投資信託を選んではいけません。

意外に知られていない?ファンドアワード受賞の裏側

最近あまり金融関連の記事を書いていないな~と思い何か投資信託の選び方といった切り口で記事でも書こうかとネットを徘徊していたら、ちょっと目に留まったものがありました。

それはモー〇ングスターのファンドアワードです(最新は今年2月に発表された2018年のアワードですからちょっと古い話ですが)。

これから書く話は結構知られている話なんだと思っていましたが、ちょっとネットを検索した限りではあまり知られていないようです。という訳で書いていきましょう。

もう会社を辞めて1年以上経過してるから問題ないよね?

ファンドアワードは商売です。

これは皆さんも聞けば納得だと思いますが、国内数千本の投資信託のパフォーマンスなどのデータを整理し、ランキングを作成してアワードを発表するというのを慈善事業でやっているところはありません。これはお金が絡んだビジネスです。

ただ、私はこれに絡んだ業務をしていた時、「ずいぶんえげつない商売してるんだな」という感想を持ちました。なにが「えげつない」んでしょうか?

ちなみにこの話はモーニ〇グスターのお話です。

アワード受賞はパフォーマンストップの投資信託とは限らない

まずはこれです。

どの様な選定基準になっているかは私も分かりませんが、少なくともパフォーマンスの順番ではありません。モーニン〇スターのHPを見れば分かると思いますが、最優秀ファンドに選ばれた理由としてこんなことが書いてあったりします(以下の理由は別々のファンドのものです)。

  • 2018年はリターンと運用の効率性のいずれもが上位9%
  • 2018年のリターンは上位5%、アクティブの中では実質第2位

上位9%って、それじゃもっと成績の良いファンドが沢山ありそうじゃない?

「実質」2位ってなんか無理やり上位に持ってきたような言い方だね。それで実質1位のファンドはどこいっちゃったの?

なんでパフォーマンストップの投資信託を表彰しないのか?

ずばり「お金」です!

このモーニング〇ターのファンドアワードは発表される前(1カ月くらい前だったかな?)に事前に連絡がきます。やり取りの詳細は忘れましたが、意味合いはこんな感じです。

あなたの会社は〇〇〇部門の最優秀賞で△△△ファンド、×××部門の優秀賞で▲▲▲ファンドが受賞対象になりました

ど・う・し・ま・す・か?

どうしますか?ってどういうことだと思います?

実はこのファンドアワードって受賞するともらえるのはアワードのロゴ(バナー)を使う権利なんですが、その権利を行使するのにお金がいるんです

記事の内容的にロゴをそのまま載せると怒られそうだから興味がある人は自分で検索してください。

「どうしますか?」っていうのはその「お金を払いますか?」ってことです。ちなみに1ファンドで大体数百万円(前半の方)です。2ファンド受賞なら2倍になります(交渉で若干割引してくれることもあります)。

実際運用会社はそれほど広告宣伝費を持っていませんから、何個も受賞したら一番力を入れてるファンド以外は辞退するといったこともあります。

逆にモーニングス〇ー側もそれを分かってるので、小さい会社のファンドは受賞候補に上げなかったり、上記のように無理くり順番をずらして色んな会社に受賞を分散させます(辞退があれば繰り上げ当選も当然あると思われます)。

こんな賞に意味あると思います?

フォローしておくけど、世の中の全てのアワードがこんなのじゃないわよ。ちゃんとパフォーマンス順で表彰するものもあります。

関係会社は儲かる。では投資家は?

関係会社は全て儲かる仕組み

〇ーニングスターのHPにはこんなことも載っています。

”受賞ファンドに資金流入が拡大”と称して、受賞前後の投資信託の資金増加率が3.43倍に増えたとかいったことをグラフ付きで示しています。

要するに受賞ロゴを付けるとファンドが売れるようになるよ!と言いたいのです。

実際モー〇ングスターのHPなんかでも宣伝してくれるし、ちゃんと販売のバックアップはしてくれるのよね。

要するに運用会社はアワードのロゴを買って、販売用資料にそれを付ける。HPにもバナーをでかでかと掲載する。ここでモーニ〇グスターにはお金が入ってきます。

販売会社はそれらの資料で営業をかけまくる。そうすると投資信託がたくさん売れて手数料がたくさん入ってくる。

投資信託がたくさん売れると運用会社にも信託報酬がたくさん入るのでロゴ(バナー)に払ったお金も回収でき、更に儲かってめでたしめでたしといった所です。

上手く回ると関係会社は全部儲かります。

実際この営業攻勢で投資信託が売れちゃうのよね。

投資信託を買った人は?

関係会社は全て儲かってめでたしめでたし・・・なんですが、手数料まで払ってその投資信託を買った投資家はどうなんでしょうか?

答えは当然まちまちです。

関係会社は儲かる確度が高いのに、投資家は分からないのね。

アワードを取ったからといって今後のパフォーマンスが良くなる保証はない

当たり前ですが、賞を受賞したからと言って今後のパフォーマンスが保証されることはありません。ましてや上記のように前年ですら優秀だったかどうかよくわからないファンドなんですよ?

どう考えてもこの「アワード」は関係会社の為の儲ける仕組みの一部であり、投資家の為のものではないのです。

当然受賞ファンドがその次の年に良いパフォーマンスを出すことだってあるわよ。

回り回って投資家につけが回されてる?

この関係会社が儲けるための仕組みである「アワード」ですが、モーニング〇ターの取り分である数百万円は最終的に誰が払っているんでしょうか?

答えは当然、投資信託を買っている投資家が間接的に払っているという事になります。

最終的にお金を払っているのに、最もリターンを得られる可能性が低いってひどい話ではないでしょうか?

結論:アワード受賞というだけの理由で投資信託を選んではダメ

自分なりに色々研究し、自分が取れるリスクの範疇で最も将来性がありそうな投資信託を選んだら”たまたま”その投資信託がアワード受賞ファンドだった。という事なら何の問題もありません。

ただ、何か投資信託が買いたいけど、良いの無いかな?という状態で、「この投資信託なんか偉そうな賞を受賞してるから良いファンドなんじゃない?」という理由だけで買ってしまうのはお勧めできませんね。

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