東証に上場されているETNってETFと何が違うの?

投資信託・ETF等

先日ETFについて書きましたので、その続きです。ETFと似て非なるETN。どのようなものなのでしょうか?ETFとの違いをあげつつご紹介してきます。知らずに余計なリスクを負ってしまわないようにしましょう。

結論:ETNは今の所投資するのに難点がある金融商品

ETNは発行するのに際して裏付け資産を持つ必要がないので、これまで投資できなかった指数にも投資する機会ができるというメリットがあります。一方で、ETFと違い発行体の信用リスクを取ることになるというデメリットがあります。

ただ、現状ではこのメリットとデメリットを比較する以前に、取引量が少なすぎて取引コストが大きくなるため、投資対象とするのには難点があるといえます。

ETNってどんなもの?

ETFとETNの違い

ETFが Exchange Traded Fund の略であるのに対してETNは Exchange Traded Noteの略です。分かり易くかなりざっくり説明すると、Fundが投資信託なのに対してNoteは社債です(ETNは日本の取引所に上場する際に1枚間に挟んで最終的にはJDRという形態になっているのですが、複雑なので省略します)。

ETF

具体的に何が違うのかというと、ETFは投資信託なのでその裏付けに現物資産があります。例えば日経225に連動するETFであれば、225構成銘柄がETFの発行量に応じた単位で信託銀行に預けてあります(分別管理)。

なので最悪そのETFの運用会社が破綻してもETFの資産は保全され、最終的に何らかの形(大量に持っていたら225構成銘柄の株で返ってくるかもしれませんが、恐らく売却後のお金)で全額手元に帰ってきます。

ETN

一方ETNは社債です。簡単に言うと、その社債の発行会社が「この社債の基準価額は日経225と連動することを保証します」と言っているだけのものです。

なので極端な話、どんなものも作れちゃいます。「天気が晴れたら昨日の価格の倍、雨なら半分、雪が降ったら3倍の値段とすることを保証します」というETNも作れます。ただこんなものを作っても発行会社がリスクヘッジできないので作りませんが。

ETNはETFと異なり社債ですから、その発行会社が破綻すれば全額返ってくる可能性は少なくなります(基本的に大幅に減価します)。

ETFとETNの最大の違いはその運用会社(発行会社)が破綻したときの扱いですね。

ETNの基準価額は発行会社が破綻しなければ保証されている

ETNは社債なので発行会社が破綻しない限り保証された基準価額通りで取引できます。この基準価額が保証されない時、その発行会社は債務不履行(デフォルト)扱いとなるからです。

ETNで保証されているのは”基準価額”だけ。

発行会社がデフォルトしなければ問題ないならそれほどリスクは高くないのでは?というとそれは違います。何故なら保証されているのは基準価額だからです。

ETFの時にも説明していませんでしたが、ETFやETNには価格が2つあります。一つは基準価額、もう一つは取引所での取引価格です。

基準価額は運用会社や発行会社が新規で設定/発行する際や、償還するときの価額です。通常かなり大きな単位でしか取引できないようになっており、基本的にマーケットメーカーが取引するときの価額になります。

ちなみにETNの発行会社が対象指数との連動を保証しているのは基準価額です。ETFの運用会社も対象指数との連動を目指すのも基準価額の方です。

要するに私たちが市場で売買してるETFやETNの取引価格は対象の指数との連動を誰も保証してくれてないってことね。

ETNの取引価格は発行会社の信用リスクを折り込む

では私達一般の投資家が取引所で取引する価格はどうなるのか?

ETFは運用会社が破綻しそうという状況でも裏付け資産があるため、価値が下がりません。よってETFの取引価格は基準価額と同じくらいの水準で推移します。

ETFの基準価額と取引価格がずれるのはマーケットメーカーや売買代金によるということは 「ETFに投資するときの注意点!そのメリットとデメリットとは」 に書きましたので参照願います。

しかしETNは発行体が破綻すると価値が大幅に減価するので、実際に破綻しそうという状況になると取引所での価格はそれを折り込んで基準価額より低い価格での取引になっていく可能性が高いのです。いわゆる発行体の信用リスクがあるというやつです。

実際銘柄名(連動対象指数のことが多い)だけを見て取引しようとした場合、コードを入れればETFと画面上はほとんど変わらないので、「知らず知らずのうちにETNを買っていて発行体の信用リスクを負わされていた」なんてことにもなりますのでご注意を。

ETNそのものが危険だと言っているつもりはありませんよ

VIXインバースETNの早期償還は信用リスクとは無関係・・・ただ取引制度上の問題点も

個人的には忘れられない2018年2月のこと。東証上場のETN(NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN)が早期償還されました。これは当時ネットでも大騒ぎになったので覚えていらっしゃる方もいるかと思います。私はかなりの額を投資していましたので一生忘れられない悪夢になりました。

この損失でセミリタイアした直後にもかかわらず、私は就職活動を始めようとして履歴書を作成しました。

何故大騒ぎになったのでしょうか?一晩で約300億円分のETNがほぼ無価値になったからでしょうか?それもあるでしょうが、多くの投資家が当該ETNの早期償還条項を知らなかったからではないでしょうか?

ETFもETNも市場で取引する分には目論見書を読む必要はない

ETFもETNも市場で取引する際は、投資信託のように事前に目論見書を見ないと買えないということはありません

これは取引制度の問題で、ETFもETNも新規に設定/発行されるときには目論見書が存在します。見る必要があるのはマーケットメーカーになりますが、機関投資家なので目論見書の交付は省略されることもあります。

当該ETNの早期償還条項もそこに書いてありました(目論見書を見たか記憶はあいまいですが、私は早期償還条項を何かで読んで明確に認識していました)。

早期償還条項に抵触したので自動的に償還された。それだけのことなんです。なのでこの早期償還を騒ぎ立てるのは投資家としてどうなのか疑問に思います。

大多数の人は見る必要が無かった目論見書に重大なことが書いてあったんです

取引制度上の問題って感じね

そんなこんなで?日本のETNはほぼ取引されていません

この早期償還が直接の原因かどうかは分かりませんが、現在東証に上場されている23銘柄(2019年6月10日現在)のETNはほとんど取引されていません

真っ先に東証へ上場したバークレイズは取引量が増えないことを理由に撤退しています。連動対象指数は結構魅力的なものが多いので非常に残念ですが、信用リスク云々以前に投資対象とはなりそうにありません。

それにしても投資できる有価証券の種類ってどんどん増えるね。

それぞれのメリット・デメリットをよく調べて後悔しない投資をしないとね。

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