積立投資は万能なのか?

投資全般

現在金融庁は老後のための資産形成のために投資を推奨しています。そしてそのための手法として「つみたてNISA」という仕組みまで作って応援?してくれています。この「つみたて」という投資手法は時間を味方につけるという点でとても優れた投資手法だと思います。でも、万能じゃないんですよ(場合によっては損をすることもあります)。

積立投資は儲けやすい?

積立投資と一言でいっても、やり方はいくらでもあります。ただ、ここでは話を簡単にするために、毎月一定額を一つの金融商品に投資し続けることとして話を進めます。

最初にどういう結果になるのか、シミュレーションを提示したいと思います。

積立投資のシミュレーション条件
  • 毎月1万円を日経平均に連動する投資信託に投資する(信託報酬率は2019年8月時点で最低水準の投資信託を参考として0.154%とした)。
  • 積立期間は約20年間(2000年1月~2019年8月)
  • 日経平均の配当利回りは2.3%(2019年8月現在の数値を利用)
  • 積立定期預金の利息を0.08%(ネット銀行の積立定期預金の利息を参考とした)
シミュレーション結果

年利0.08%の定期預金に積立てる(上記オレンジ色の線)より、日経平均に連動する投資信託に積立てる(上記ブルーの線)方が最終的にお金は大きく増えています。

2000年1月から2019年8月までの約20年間(236カ月)、毎月1万円を積み立てた結果は、定期預金が238万円に対して、投資信託は474万円と大きく差が付きました。

何故積立投資は有利なのか?

上記のシミュレーションでは、日経平均に長期間積立投資をすると、定期預金を積立てるよりいい結果を得ることが出来ました。これは何故でしょうか?

配当利回りによる複利効果

複利効果というのは「運用で得た収益をそのまま投資し続けることで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果」のことです。

上記シミュレーションの場合、最初の年に投資したお金に日経平均の配当利回り2.3%がかかり、翌年はその配当利回りがかかった元金に更に2.3%の配当利回りがかかるといったことですね。

もちろん定期預金でも複利効果はあるのですが、現在定期預金の利息はとても低いので大きな効果にはならないのです。

データがなかったので日経平均の配当利回りは現在の2.3%で計算しましたが、これも当然変動します。ただ、リスクがある分、基本的に預金の金利より配当利回りの方が高くはなります。

大抵の金融商品には何らかの金利や配当が付くので、基本的に複利効果は見込めます。ただ、金(Gold)に投資するような投資信託だと金利や配当がありませんから複利効果は見込めません。

ドルコスト平均法

値動きのある金融商品を複数回に分けて一定額づつ購入すると、平均購入単価が安くなるのですが、こうした投資手法をドルコスト平均法と呼びます。積立投資ではこの効果も効いてくることになります。

具体的にどういうことをいうのかというと、下表のように価格が変動する金融商品を①毎月1万円づつ購入した場合と、②毎月100口づつ買った場合では、毎月1万円づつ購入した方が購入単価が安くなるということです。

購入金額を固定すると、購入する金融商品の価格が高い時は購入する口数が少なくなり、安い時には多く買うことになるからです。

小さい効果を長期に積み上げてリターンにつなげる

上記の「複利効果」や「ドルコスト平均法」によるリターンは短い期間で見るとそれほど大きくありません。ただ、それが長く積みあがることで大きな投資成果に結びつくのです。

ちなみに、投資信託や株に投資して得た利益に対しては約20%の税金がかかります。

積立だと計算がややこしいので概算にしますが、上記のシミュレーションの場合、約20年でざっくり238万円の利益を出していますから、40万円位の税金が取られてしまうことになります(それでも利益は大きいのですが)。

これに対して金融庁が推奨している「つみたてNISA」は投資額の上限(年間40万円)はあるものの、利益に対する税金がありません。

かなり投資家にとって有利な制度ね。

時間を味方にできる若い人にはお勧めできると思います。

この辺りまでが(銀行や証券会社でしている)一般的な「積立投資」や「つみたてNISA」の説明になります。

小さく注意書きはしてあると思いますが、「積立投資」でも当然損をするリスクはあります

積立投資も万能ではありません(損をすることがあります)

ここで、上記のシミュレーションのグラフを、日経平均のグラフと合わせてよく見て下さい。何か気付きませんか?

そう!当たり前の話でもあるのですが、いくら積立投資とはいえ、基本的に投資した日経平均の価格に投資資産は影響されるんです。

手元に日経平均のデータは約20年分しかないので、ここでは10年積立を想定して、投資のスタート時点をずらしていってその結果を見てみます(他の条件は上記シミュレーションと同じです)。

10年(120カ月)だから、何もしない場合は120万円貯まりますが・・・

10年積立の結果

定期預金に負けてる、というか投資リターンがマイナスの年があるわね。

負けてるのは上記の日経平均が低迷していた時期(上図に色がついている部分)に積立投資が終了したシミュレーションだね。

複利効果だドルコスト平均法だといっても株価が下落すると・・・

上の例のように10年間コツコツ積立をして、定年なんかを迎えて「さあ使うぞ!」というときに株価が大暴落・・・なんてことが起こるとその規模によっては投資リターンがマイナスになる可能性もあります。

たまたま積立投資が終了する時点でリーマンショックみたいなことが起こると最悪です。

何年も後で予想すらできないことですが、そういうことが起こった時「不運だった」で済ませられますか?

まぁ複利効果なんかは投資期間が長ければ長い程大きくなりますから、これが10年ではなく、20年になればマイナスになる可能性は低くはなります。

しかし、投資を始めるタイミング、投資が終了するタイミングによってリターンに差がつくのは事実です。

まぁ絶対確実な投資というものはありませんよ。

積立投資もプラスのリターンを得られる可能性は高いというだけです。最終的にはやはり「自己責任」なんですね。

積立投資の注意点

上記でも分かる通り、積立投資は投資期間が長ければ長い程プラスのリターンが得られる可能性は高まります。なので、なるべく早い内から始めるのがコツだと言えます。

ちなみに「つみたてNISA」の投資期間(非課税期間)は最長20年です。

私はそこそこ歳なので、20年スパンの投資は不要ですのでやっていません。普通のNISAはやってますよ。

投資信託であれば信託報酬率に注意!

積立投資の複利効果をより大きくするためには、引かれるコストを少なくすることが重要です。投資信託の場合、それは信託報酬になります。

一般的にアクティブ投信に比べ、パッシブ投信の方が信託報酬率は低くなる傾向があります。なので、積立投信には日経平均連動といったパッシブ投信が向いていると思います。

ETFは分配金再投資が出来ない!

自分で利用していないので詳しく調べてないのですが、確か「つみたてNISA」ではETFには投資できなかったと思います。でも、「つみたてNISA」を利用しないで自分で積み立てをする場合、ETFには注意が必要です。

というのも、ETFは投資信託のように分配金を再投資する仕組みが無いからです。ETFの分配金は別に金利とか利息といった性格のものではないのですが、分配金が出てしまうと積立てた額の一部分が勝手に解約されて現金化されてしまうのと一緒です。

なので分配金が出ると複利効果が小さくなってしまいます。

分配金がどういった性格のお金なのかは「【分配金に意味は無し】投資信託の分配金と預金の利息の違い」や「投資信託の分配金を当てにしてる方っていますか?」で説明していますのでよろしければご覧ください。

長期で運用できる若い人は是非やってみてはいかがですか?

金融庁が旗振りをして大々的に導入した「つみたてNISA」。実は普通の金融機関はあんまりやりたくないんですよ。

何故なら管理するシステム投資にはお金がかかるのに、投資対象となる投資信託は販売手数料がゼロだし、信託報酬率も低いからです。要するに金融機関側は儲からないんです。

これ、逆の見方をすれば投資家には有利なんです。そしてそれに加えて長期積立のメリットが享受できて、無税。これでもかというくらい投資家に有利な仕組みなんですよ。

若い内から毎月いくらかづつ積み立てるのって大変だと思いますけど、この仕組みは利用する価値はあると思いますね。ただ、上記のようにリスクはあります。投資対象なんかはよく研究した方が良いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました