ETFに投資するときの注意点!そのメリットとデメリットとは

投資信託・ETF等

ETF( Exchange Traded Fund :上場投資信託)って知ってますか?実はこれも投資信託の仲間なんですが、ちょっと毛色が違います。投資信託に比べるとメリットが多く、私も資産運用に活用しています。しかし、ものによって致命的な弱点を持っていますのでその辺をご紹介します。

ETFはメリットも多いが、モノによってデメリットが大きい

ETFは投資信託と比べるとメリットが多く魅力的な投資対象です。ただ残念ながら、それは取引量の多い一部のETFに限られてしまいます。

東証に上場されている大半のETFは取引量が少なく、それ故に取引コストが大きいという大きなデメリットを持っています。

ETFに投資する際にはまず取引量を確認することをお勧めします。

ETFについて

私が以下で説明するETFの弱点は、巷のHPなどで”ETFのメリット・デメリット”のようなキーワードでひっかかるHPでは、何故かあまり触れられていないものです。

昔業務でETFに携わった時、この辺の認識が一般に全く浸透していないな~と感じていました。

一人でも多くの投資家がETFのことを理解して投資を始めてくれると良いわね

取引量が増えるとETFのメリットが生きるから、回り回って自分の利益にもなるしね

ETFはメリットが多い?

先日「資産運用に投資信託って必要?」ということを書きました。基本的に投資信託はコストが高いし、欲しいものが自分の取引している証券会社で取り扱ってなければ買えないので、積極的には使わないというようなスタンスを紹介しました。ではこのETFというものはどうでしょうか?

ETF(上場投資信託)は、簡単に言うと市場に上場されている投資信託のことです。なので証券会社ならどこでも売買できますし、売買手数料は株式と一緒(異なるケースもあるようです)なのでネット証券なら格安。

また、運用管理費用も普通の投資信託より安いという目を引くメリットがあります。

株式と同じ扱いなので信用取引が使えるなんていうメリットもあります

その他にどういうメリット・デメリットがあるのか一般的に言われていることと、言われていない私のいう弱点をご紹介します。

ETFのメリット・デメリット(一般的に言われているもの)

日本のある大手ETF運用会社のHPによると、ETFのメリットは以下の5点です。

  1. 市場でいつでも売買できる
  2. 少額で分散投資できる
  3. 値動きが分かりやすい
  4. 選択肢が豊富
  5. 費用が安い

デメリットは以下の3点となるようです。

  1. 価格の乖離がある
  2. 自動積立投資ができないことがある
  3. 分配金が自動的に再投資されない

まぁそれぞれの詳細については私より運用会社のHPなどを見たほうが丁寧に説明されているのでそちらを参照していただいた方がよろしいでしょう。

ちなみに、メリット5の費用が安いというのは、ETFには販売会社が存在しないため運用管理費用を販売会社に払う必要が無いという意味で説明されていることが多いです。これはこれで正しく、疑いようのないメリットです。

費用が安いってざっくりとした説明ね

確かに事前に明確にできる費用(運用管理費用)は安いんだけどね

ETFの弱点(あまり言われてないこと)

上記にないデメリットとして一番気を付けたいのが”ものによってコストがかなり高い”ということです。

これは市場で取引するETFならではのコストで、それ次第では”費用が安い”というのはウソになります。

この辺り、少なくとも運用会社とかの説明には見ることができません(どこかにあったら申し訳ありません)。そしてこのコストが大きいETFはその他のメリットもほとんど打ち消すことになります。

それはどの様なコストなのでしょうか?まず下の表をご覧ください。

これは東証に上場されている日経225に連動するETFのある1日の売買代金をまとめたものです。

日経225に連動するETFだけでこんなにあるの?

後発組は何を狙って作ったんだろうね?日銀に買って欲しかったのかな?

見ての通り、1日の売買代金が0~55億円とものすごい開きがあります。この開きが投資者にとって重要なコストを生み出します。その説明をする前に、下の図をご覧ください。1日の売買代金が55億円のETFの大引け時点の板です。

取引量が多いETFは売り気配も買い気配も最小の値幅で、かつ1つの気配に多くの注文が入っています。このケースだと一人の成り行き注文が数千万円レベルで出ても 日経225に連動した 適正な価格で売買することができます。

一方、取引量の少ないETFの板は以下のようになります。

取引量の少ないETF(当該日は21,000円)はとても閑散とした板になっています。

200万円以上成り行きで注文を出すとそれだけで価格が動くわね

それって日経平均と連動した価格で売買できないってことじゃない?

そもそも売り気配と買い気配の差が110円も開いています。これは取引コストが大きいことを意味します。具体的には、この板の状態で1単位のETFを購入すると価格は20,560円です。で、買った瞬間に売ったとします(すぐに売るのでその間、日経225は変化がありません)。なのに売値は20,450円になります。

この場合、日経225は変化していないのに110円の損失を被ります。要するにこれが取引コストです(このケースだと約0.5%)。この具体例は1単位の売買ですが、多額の取引をすると何枚もの板を突き抜けてしまうので取引コストはさらに膨らみます。

この取引コストは様々な状況でコストの比率が変わるので、予めいくらのコストがかかりますと言えない為、運用会社などの説明に無いものと思われます。しかし、場合によって物凄く大きなコストになるので、ETFの”費用が安い”というメリットを完全に潰しかねない大きな弱点なのです。

事前に分からないコストは説明できないってことは理解できるけど・・・

かなり大きなコストになることもありそうだね

何故ETFの売り気配と買い気配に開きが出るのか?

これは鶏が先か卵が先か的な話になるのですが、ETFにはマーケットメーカーがついています。マーケットメーカーは常にそのETFの価値(上記例であれば日経225を参照して算出)を見ながら、そのETFをいくらで売ったら得をするか、いくらで買えば得をするかといったことを考え、裁定取引をして儲けています(どうやって儲けているかの詳しい説明は省きます)。

儲けを出すことを目的に裁定取引をしているわけですから、1日にいくら儲けたいという目標があります。で、一日の取引量が少ない場合は一回の取引での利益率を上げる必要があるため、売りと買いの価格が開くことになります(本来のETFの価値からより安い値段で買って、より高い値段で売ろうとする為)。

こういった理由で取引量の少ないETFは売りと買いの価格差が開くので投資家が敬遠する。敬遠すると取引量は減るのでさらに価格差が開くといった悪循環に陥り、そのETFは利用されなくなるのです。

簡単にいうと、取引量の少ないETFは取引コストが高いってことで良いのね?

基本的にはそうなるね。詳しくは上の方の図のような、売買板を確認すればすぐ分かるよ。

日本のETFで活発に売買されているものは結構少ない

実は日本の市場に上場されているETFで十分な取引量があるものって日経225連動やTOPIX連動の一部とあと数銘柄だけなんですよ。

これは調べてもらえればすぐわかると思います。逆にこのETFに投資しようかな?と思ったら最低限一日の売買代金がどの位あるのかは見たほうが良いと思います。

場合によっては朝の寄りにちょろっと売買があって、そのあと3時まで取引無しなんてものも見かけます。そんな取引量じゃ対象指数と連動した価格での売買も困難ですね。

現在私は日経225の変動率の2倍の動きをするETFを日本株運用のメインにしていますが、TOPIX業種別指数に連動するETFと組み合わせて投資出来たら色々できそうだな~なんて思ってたりもします。でも、実際はほぼ取引が無いので投資できていません。とても残念ですね。

十分な取引量があるETFのみメリットがある

まとめるとETFにはコストが安いという魅力的なメリットがあるものの、それは十分な取引量がある銘柄に限られるということになります。

今回私がフォーカスした取引コスト。日中の取引量が少ない中小型株を取引している人なら、ああ”流動性リスク”のことね。とすぐ飲み込めると思いますが、大型株や投資信託しか買ったことが無い人は見落とすかもしれません。ご注意を。

で、色々な方がメリット・デメリットを理解した上で取引参加してくると、今は死んでいるETFが復活して投資できるようになるかもしれません。そうなることを個人的には祈っています。

あ、ETFに似たものにETNというものがあります。この2つは似て非なるものです。ETNはそのほとんどが取引量が少ないので私は全く投資対象にしていませんが、機会があればご紹介します。

ETNについては「東証に上場されているETNってETFと何が違うの?」でまとめました。是非ご覧ください。

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