元々はコストの話から始まった「家」の話。その候補としての地方移住、更にその中でも「空き家」について調べてみました。もしかしたら格安で理想の生活が手に入る?と思って調べてみましたが、やはり現実は厳しいようです。
地方移住を考える際、「空き家」は候補になるのか?
この記事はタイトル通り以下の記事の続きになります。
前回記事の書き出しにもありますが、私は現在、具体的に地方移住を検討しているわけではありません。
ただ、YouTubeなんかで地方の古民家に移住してスローライフを満喫しているような動画を見て、憧れていたりします。そして仕事をしていないセミリタイア生活であれば、確かにそういった生活は選択肢の一つに入りますし、少し研究してみようかな?ということで記事を書いています。
セミリタイア生活であろうとなかろうと、最終的に住む家はとても難しい問題です。特に私の様な独身者にとっては・・・
コスト面なんかも含めて、地方移住は選択肢になりえるので研究を始めました。
「空き家バンク」で多くの物件を眺めてみた
今回私が調べたのは「空き家バンク」に掲載されている物件です。
「空き家バンク」とは、自治体が主体となって、家の持ち主と移住希望者とのマッチングを図るという、移住者支援のシステムです。
ただ、今回調べて思ったのですが、自治体によって多少の濃淡はありますが、全体的にこのシステムには注力はされていませんね。ここに乗っている情報だけではほとんど何も分からないし、ほんの少しの説明文も「お勧め」しているようには全く思えません(ホントにお勧めじゃないのかも知れませんが)。
電車で1時間もかからない様な所であれば、この少ない情報を元に見に行ったりも出来るのでしょう。ですが、何時間、下手すれば泊りがけじゃないといけない様な遠方に行くのに、この情報量では・・・といった感じです。
ただ、少ない情報でも数を見ていると気付く点もあります。
それは都会の生活に慣れた私にとっては盲点だったり、意外だったりするものだったわ。
<今回調べた物件数>
地域:福島、茨城、島根、佐賀、福岡の海が近い地域の物件
価格帯:1,000万円未満(1,000万円以上だと都会にある家とあまり変わらないので除外)
件数:計110件ほど
少し乱暴ですが、全体感を分かってもらえそうなので、この110件の物件の平均値で書いていきます。
※何故この地域の海沿いかというのは前回の記事に書きましたのでご覧ください。
※物件数が少なかったので、賃貸は含んでいません。
田舎の住宅はでかい!
今ではあまり聞きませんが、昔は日本の家屋を外国人は「ウサギ小屋」とか「マッチ箱」なんて呼んでましたよね。まぁ金持ちなのに家は小さいという事を揶揄した言葉です。
私もずっと東京暮らしでしたから、極一部の資産家以外、家なんて大きくても4LDK位だとずっと思っていました。
でも、今回調べた田舎の家屋はスケールが違いますね。あくまでも平均値なので個別には幅があるのですが、110件平均(データが掲載されていないものは省く)の数値がこちら。
平均価格・・・516万円
平均部屋数・・・7(最大値11)
平均建屋面積・・・133㎡(最大値430㎡)
平均土地面積・・・440㎡(最大値1,573㎡)
東京だとあまり見かけない数値ですよね。特に部屋数と土地面積が。
「元民宿?」といった広大な建物が多かったです。
特に数えなかったのですが、ほとんどの部屋が畳の和室です。また、ほとんどの物件が私より年上(中には築100年以上なんてものも)でした。
古い家だから和室が多いのでしょうか?それとも地方だからでしょうか?
どちらにしても建物が大きく、部屋数が多く、ほとんど和室というのが「民宿」感を演出しています。
で、思いました。
明らかに独身世帯では持て余す・・・というより掃除なんかのメンテが出来そうにない。
今住んでいる1LDKのマンションでもちょっと広すぎるな・・・と感じている私が7部屋もある家に住んだらどうなるのか?ちょっと想像できませんね。
都会生活が身に染みてるから難しそうね。
家は大きいのに何故?
全ての物件の内部の写真が掲載されていたわけではないのですが、あるものだけでも不思議に思うことがありました。
というのも、家は大きく、部屋数も多いのに、なぜかお風呂(風呂桶)が小さいんです。逆に足が伸ばせそうな大きなお風呂は一つもありませんでした。
これ、何か理由があるんですかね?
全く考えに無かった・・・あれ
実は調べていたら、「そういえば」と思い出したのですが、都会育ちの私にとっての意外?な障壁が立ちふさがりました。
それは・・・「汲み取り式トイレ」です。
私が子供の頃は東京でもたまにバキュームカーを見かけました。ただ、ここ数十年は全く見なかったので下水の整備率は100%に近いのでしょう・・・あくまでも大都市圏は。
そのせいで存在そのものを全く忘れていましたが、今回調べた110件の物件での「汲み取り式トイレ率」は64%と、半数以上も該当しました。
私の記憶の中にかすかにある「汲み取り式トイレ」はとてつもない悪臭(特に夏場)で、今の私では数秒も我慢できないイメージです。
調べてみたら大昔とは違って、途中にU字管を設けて臭いが少なくなるタイプもあるそうですが、どちらにしても思ってもみなかった「移住への障壁」であることには違いありません。
ちなみに、日本下水道協会という所が発表している全国の「下水処理人口普及率」は79.7%。ただし、地方では20%なんていう県もあったりします。
毎日使うものだから慣れるのか?それとも嫌になるのか?
トイレのついでに・・・
これまた東京に住んでいると全く意識することが無い「水道」なんですが、地方だと上水道が来ていない地域がありますね。
今回調べた物件では28%が井戸水でした。
東京で育った私にとっては、「井戸水」の方が様々な消毒もされておらず「美味しいのではないか?」というイメージがありますがどうなのでしょう?
ただ、飲料に適さなくなったり、枯れたりということがあったらどうなるんですかね?その辺りにリスクがあるのかどうかは気になります。
当然井戸から手で汲み上げてる訳ではないでしょうから、停電すると水が出なくなる?
「最寄り」の単位が違う
「空き家バンク」に掲載されている情報はかなり少ないです。
外観の写真なんかはしょうがないかもしれません(空き家と分かると荒らされたり、盗まれたりするリスクがあるので)。ただ、スペックは細かく書いておいて欲しいですよね。
で、数少ない情報の中に最寄りの「学校」や「郵便局」、「駅」や「メジャーな国道」までの距離が出ていたりします。
その距離が・・・私の感覚だと遠くて1km位なんですが、2km、3kmは当たり前、中には10km単位の数字も出てきます。最寄り駅まで10,000mとかですよ(表示が徒歩10,000mと書いてあるのがシュール)。
当然都会の生活とは違うと頭では分かっていますが、スケールが違い過ぎて生活の具体的イメージが湧いてきません。
「最寄り」とは・・・
独身だと地方の空き家暮らしは厳しい!?
今回調べた限りでは、私の様な都会育ちの独身者にとって、地方の空き家暮らしは厳しいと言わざるを得ません。
特に家の大きさが明らかに独り用では無いのがネックです。元々築年数が相当経っている所に持ってきて、ろくなメンテナンスが出来ないとなれば、建物の老朽化の進むペースも早まるでしょう。
ついでに「汲み取り式トイレ」が二の足を踏ませます。
ただ、上にも書いていますが「空き家バンク」はまだまだ地方自治体が注力していないのが見え見えです。当然これに掲載されていない物件の方が遥に多いはずです。
実際YouTuberなんかはこじんまりとした良い雰囲気の物件をゲットしていたりしますしね。
その他のHPでも「地方の空き家の選び方」みたいのを調べると、やはり最終的には候補地を絞って現地で探して回るのが一番といったことが書いてあります。
今現在、そこまでしようと思うほど具体的な考えはないので、現地調査まではしません。
ただ、最終的にどんな家に住むかは今後も考えていきます。その際、また地方移住は候補にあがってくることでしょう。
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