日本という国や様々な神様を生み出した、云わば神様の中の神様ともいえる伊邪那岐命(男神)と伊邪那美命(女神)。でも2神の内、伊邪那美命(女神)は死んでしまい黄泉の国に行ってしまいました。しかも、そこから人間を呪い殺し続けているという・・・そんな恐ろしい場所との境目があるそうです。
伊邪那美命に関係する2神社
今回は伊邪那美命に関係の深い2つの神社に行ってきました。
お目当ては最後に行った場所なんだけど、その場所に関係が深い伊邪那美命を祀る神社が近くにあるからそちらにも行ってきたという感じね。
今回のメインは伊邪那美命(イザナミノミコト)です。日本の国土や様々な神様を生んだ女神様ですね。漢字は他にも色々当てられていますが、今回はこの表記で統一しました。
伊邪那岐命(イザナギノミコト)や伊邪那美命について古事記にかかれていたことは以前まとめていますのでよろしければご覧下さい。
神魂神社(かもすじんじゃ)
<主祭神>
- 伊邪那美命
<配神>
- 伊邪那岐命
夫婦だし伊邪那岐命、伊邪那美命の両方を主祭神としている神社は沢山あるけど、伊邪那美命のみを主祭神にしているのは珍しい?かな
神魂神社は天穂日命(あめのほひのみこと:天照大御神の子供)がこの地に降って創建したと伝えられている歴史のある神社です。
本殿は現存する最古の大社造であり、国宝に指定されています。
実はこの「国宝」に釣られて参拝に行きました。。
神魂神社への行き方
私は車で行きましたのでネットにある情報を引用すると、
- JR松江駅から松江市営バス(かんべの里行)で「かんべの里」下車、徒歩3分。
- JR松江駅から一畑バス(八雲行)で「風土記の丘入口」下車、徒歩10分
- JR松江駅からタクシーで15分
と市の中心地からのアクセスは比較的良好なようです。
車でもこの辺りは道が入り組んでないのでナビをセットすれば簡単にたどり着けると思います。
境内のすぐ横に駐車場(乗用車が10台くらい止められる位の大きさ)があります。
境内① 鳥居
実は駐車場から向かうとこの鳥居の所に出るのですが、こちらは2つ目の鳥居でした。
きちんと最初の鳥居からくぐりたい人はちょっと坂道を下って行く必要があります(一つ上の写真の画面奥側にあります)。
自分の少ない経験からだと、当社の様に歴史のある神社には大抵「狛犬」がいませんね。
主祭神に眷属がいないってだけなのか、狛犬を配置する習慣が出来る前に創建されたのか・・・
境内② 入り口の階段
最初の階段を上っていくと、右手に更にきつい勾配の階段が現れます。その上に見えるのが拝殿です。
急な上に一段一段の段差が大きく登りにくい階段でした。
この脇に登りやすい緩やかな坂道もあります(ただ女坂という名称はちょっと今の時代どうなのかしらね・・・)。
境内③ 拝殿
何やら沢山の注意書きが張ってある拝殿だな~と書いてある内容を読むとマナーに関する注意書きでした。
それほどマナーが悪い参拝客が多いんですかね?
遠目から建物を写す分には良いけど、近くから社殿の中を写すような写真の撮り方はNGとありました。
以前から社殿内部は撮らないようにしてたけど、これを機会にちょっとマナーを調べ直しておくわ(書いている人で内容は様々だけど、色々なマナーがあります)。
境内④ 本殿
上にも書いた通り、神魂神社の本殿は国宝です。
同じ大社造の出雲大社と比べると、近くで見ることが出来るせいか、こちらの方が重厚な印象を受けます。
でも、国宝なのに明るい内から神社関係者が一人も境内にいないのはちょっと不用心な気もするわ。
<帰りに巫女さんとすれ違いました>
敷地はそれほど大きくはないものの、本殿は国宝ですし管理している方がいるんだろうと思っていたら、私が訪れた時は誰もいらっしゃいませんでした。
ただ、流石にというか、私が帰る時に巫女さんとすれ違い「やっぱり誰かしらはいるんだな」と安心したのですが・・・
すれ違うちょっと前まで歩きながらずっとスマホを眺めてましたね。
雰囲気壊すから巫女さんの恰好で歩きスマホは止めて~(ちょっとした要望です)
境内⑤ 境内社
実は社殿内の写真は撮らないようにしていたので、どれだか分からなくなってしまったのですが中に大きな鉄の鍋のようなものが安置されている境内社がありました(確かこの写真の真ん中に写っている本殿向かって右奥の境内社だったと思います)。
下調べが甘かったせいで「なんだろ?」位にしか思わなかったのですが、後から調べたらこの神社を創建したとされる天穂日命が天から降りてきた時に乗っていた乗り物だったようです。
UFOじゃないの!
揖夜神社(いやじんじゃ)
<主祭神>
- 伊邪那美命
<配神>
- 大己貴命
- 少彦名命
- 事代主命
- 武御名方命
- 経津主命
今度は配神も含めて伊邪那岐命が完全にいないのね。
やはりこの神社の裏にあるアレのせいなのかな?
揖夜神社への行き方
こちらも私は車で行きましたのでネットの情報を転載すると「JR揖屋駅から徒歩10分」のようです。
周りが住宅地なので道が狭くてちょっとわかりにくい感じでしたが、ナビ通りに進めば何とかわかるといった所でした。ちなみに入り口の鳥居のすぐ横に乗用車が5台ほど止められそうな駐車場があります。
境内① 鳥居
スクールゾーンであちこちに誘導のボランティアの方がいるような道路に面して揖夜神社はありました。
境内② 神門
注連縄が太いのは出雲特有なのでしょうか?
境内③ 拝殿
結構がらんとした拝殿でした。
現在はご神体を一時的に右の建物に移してあるのでお参りはそちらでとの注意書きがありました(賽銭箱も移動?している)。
境内④ ???
調べてもなんという建物なのか分かりませんでしたが、現在の実質的な拝殿のようです。
境内⑤ 本殿
揖夜神社の本殿は立派な玉垣に囲まれています。
なので近づくことは出来ない・・・と思いきや
玉垣に切れ目があり、中に入れるようになっていました(ホントに入って良いのか不安だったのですが、調べるとちゃんとした参拝ルートに指定されていました)。
という訳で玉垣の内側からパシャリ。
隣の境内社にも賽銭箱があることから、ちゃんと入って良いルートであることが分かります。
実はこの本殿裏手の山の向こう側にある場所が今回の観光の目的地です。
山の向こう側といっても数百メートルは離れてるので移動は車だけどね。
あの世とこの世の境目!?黄泉比良坂
今回のお目当ては揖夜神社の裏手にある「黄泉比良坂(よもつひらさか)」に行くことでした。この世とあの世の境目があるなんて聞いたら行ってみたくなりますよね?
伊邪那美命はあの世(黄泉の国)の住人になったから近くに伊邪那美命(のみを)祀る神社が多いのかな?
黄泉比良坂への行き方
こちらも私は車で行きましたのでネットの情報を転載すると「JR揖屋駅から徒歩20分(揖夜神社から徒歩10分)」のようです。
地図で見ると迷うような道では無いのですが、周辺の道が細すぎるせいか?はたまたあの世が近いからなのか?ナビをセットしていたのに中々たどり着けませんでした。
黄泉比良坂までは細い一本道を登っていくのですが、その突き当りに車が4,5台くらい止められそうな駐車場?があります。
細い一本道は車がすれ違えそうなポイントも少なく、突き当りの駐車場も狭いので人が多い時は混雑しそうですね(私が行ったときは誰もいませんでした)。
黄泉比良坂(伝承地)
追って来る黄泉の軍団を伊邪那岐命が「桃の実」を投げて振り切ったという話がありますが、ここにも桃の木が植えてありました(樹齢は相当若そうでしたけどね)。
そしていよいよあの世とこの世の境目となる「千引の岩」への入り口です。
場所は2つ上の写真に写っている私の車の裏手になります。
そしてこれが「千引の岩」です。これによりあの世とこの世が隔てられているとされています。
そしてあの世側で伊邪那美命が「これから伊邪那岐命の国の人間を毎日1000人呪い殺してやる!」と叫んだ場所になる訳です。
・・・ということはこの岩の裏側が「あの世」ということになるのでしょうか?
流石に足を踏み入れることは止めておきました。
ちなみに「千引の岩」の横にある賽銭箱の様のものは死者への手紙を出す為の物らしいです。
由緒のあるものではなく、そういう内容の映画のロケ地になったことから設置されているようです。
<あくまでも神話の中の話なので突っ込むのは無粋というものですが・・・>
「黄泉比良坂という名称」、「そこを下るとあの世」、「その境界を千引の岩で塞いだ」というお話なので千引の岩は坂の上(もしくは中腹)にあるものだと思っていたのですが・・・
岩の向こう側は山というか雑木林なんですよね(手前も坂道にはなっていません)。
ちょっと塞いでる方向が違いますが、車で登ってきた坂が「黄泉比良坂」なのかな?とも思いましたが、そうすると私たちが住んでる街が「あの世」という事になってしまいます。
探せばもっとそれっぽい場所もあったろうに、何でこの場所が「黄泉比良坂」という事になっていったのかは知りたい所ですね(調べても分かりませんでした)。
そして、伊邪那岐命が黄泉の国から生還し、その穢れを落とした時に三貴神(天照大神、月読命、素戔嗚命)が生まれた訳ですが、その場所は宮崎県(とされている?)ですからね~
じつはこの黄泉比良坂のすぐ横には大きな池があるんですが、禊はそこじゃダメだったんですかね?
色々突っ込んでるけど、何とも感慨深い場所だったわよ(ど平日とはいえ、完全に一人で鑑賞できたのはとても良かったわ)。
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