古事記では、伊邪那岐命は黄泉の国から戻った際、黄泉の国で穢れた体を池で清めたとあります。その際に日本の最高神である天照大神や月読命、須佐之男命が生まれた・・・ということになっています。あくまでも神話の中の話のはず・・・なんですが、この体を清めたという池は実在します。
禊池は実在する!?
先日、あの世(黄泉の国)とこの世の境目である黄泉平坂(島根県)に行ってきました。
古事記では黄泉の国から帰ってきた伊邪那岐命は、黄泉の国で穢れた体を池で清めたとあります。黄泉平坂が実在するという事にもびっくりしましたが、この池も実在するんですって(江田神社の敷地内)。
江田神社
<主祭神>
- 伊邪那岐命
- 伊邪那美命
神社の公式HPによると、平安時代に編纂された延喜式神名帳(927年)にこの神社の記載があるようなのでかなり歴史のある神社のようです。
江田神社への行き方
私は山口から車で向かいましたので、公式HPの情報から引用すると、
- <バス>宮崎駅から宮崎市フェニックス自然動物園行き、江田神社下車(20分)
- <車>宮崎駅から約15分
- <徒歩>シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートから約10分
ちなみに駐車場は県道11号沿いに長細いのがあります。ただ入れる場所(縁石の切れ目)が少なく、車の早い流れに乗っていると駐車場に入りにくいので注意が必要です。
参道
県道11号や駐車場に沿って長い参道があります。
手水舎
こちらはコロナの影響で現在使えないようになっていました。
拝殿
平日の為か人は少なかったです。
本殿
行く前はこの江田神社のご神体は禊池だとばかり思っていたので、本殿があったことは意外でした。
ちなみに本殿の基礎部分がバブルの時に流行ったコンクリ打ちっぱなしになっていたのに二度ビックリ。神社って結構現代の技術を普通に、しかも見える所に取り入れてたりしますよね(電線が繋がってたり、スポットライトがついてたり)。
私はそういう所は結構好きです。
禊池
さて、お目当ての禊池ですが、方向としては拝殿の後ろ側になります。実際は社務所の後ろ辺りからこんな小道があって5分程歩いて行くことになります。
雑木林を抜けると公園の舗装路に出るんですが、それまでの道は夜だとちょっと怖い?かもしれませんね。
実際神社ってこんな道を行くことが多いから夜参拝するのは不向きですよね。
ここは雑木林の周りが開けた土地だから大丈夫だけど、野生動物が出てくるところもあるからね~(私は鹿に遭遇したことがあります)
そしてこれが「禊池」です。
どうやら7月辺りの大雨の影響で増水しているみたいです。そもそもこの池、どこにも水が流れ出ておらず、池の水量がもろに自然環境に左右されていそうです(ちなみに水がよどんでいてちょっと臭かったです)。
そしてご覧の通り、全周がこのようにぬかるんでいて池に近づけません。
水が引いて周りが乾燥すれば普通に池に近づくことは出来ると思いますが、私が訪れた時はちょっと危険そうでしたね。
まっ最終的には池の水に触れるところまで近づいたんだけどね(この池の水で手だけでも清めてみたかったので)。
禊池=「三貴神」生誕の地
古事記には黄泉の国から生還した伊邪那岐命はその穢れをこの池で清めたとあります。その際、左目を清めた時に「天照大神」が、右目を清めた時に「月読命」が、鼻を清めた時に「須佐之男命」が生まれたとされています(この辺りは以前書いていますのでご興味のある方はご覧下さい)。
なのでこの地は偉大な神様の誕生の地ということになりますが、あまりそちらの方面では有名じゃないんですよね。これはちょっと不思議な感じでした。
それにしても伊邪那岐命が黄泉の国から脱出したのが島根県の黄泉平坂で、その後に穢れを清めたのが宮崎県。天照大神は宮崎県で生まれて、その後どういう経緯をたどったのかは分かりませんが、岩戸隠れしたのは同じ宮崎県とはいえここからは結構離れた高千穂の地です。また、須佐之男命が八岐大蛇を退治したのは島根県です。
歩きだけで移動したと考えると物凄い行動力ですよね(私は車でも島根⇒宮崎を移動するとなるとちょっとげっそりしちゃいますけどね)。
そりゃ神様だからね。
コメント
縄文時代にすでに沖縄から北海道、八丈島まで交易してますからね
案外距離というのは大したことないのかもしれないです。
dedsさんコメントありがとうございます。
神社仏閣巡りに関してはアクセスも極端に少ないし、自分の為のメモになりつつあるんですがコメント頂けると励みになります。
確かに江戸時代なんかも東京から大阪まで歩いたりしてたみたいですし、意外に徒歩圏内って広いのかも知れませんね(かといって私には真似できませんが)。
最初は黄泉平坂が島根なのに禊池が宮崎なのは変じゃない?なんて思ってましたが、双方とも古事を利用して商売している感じもしませんし、もしかしたら本当なのかな?なんて考えるのも楽しいですね。