今はどうかは分からないのですが、ちょっと前にホームベーカリーでパンを焼くのって流行ってましたよね。私は最近久しぶりに食パンを焼いたのですが、そもそも自分でパンを焼くと節約になるのでしょうか?ということで食パン一斤を作るのに係るコストを計算してみました。
ホームベーカリーでパンを焼いたときのメリット・デメリット
昔ちょっと流行りましたが、まだまだマイナーな感のあるホームベーカリー。皆さんはお持ちですか?私は本日かなり久しぶりに引っ張り出してきてパンを焼いてみました。
久しぶり過ぎて今回はちょっと失敗してしまいましたが、ホームベーカリーでパンを焼くのには下記のようなメリット・デメリットがあるように感じます。
今回はホームベーカリーで焼いたパンのコストパフォーマンスはどの位か?といったことを中心に書いていきます。
ホームベーカリーで美味しいパンを焼こう!
最初にホームベーカリーを使った食パンの作り方をざっくり説明します。
材料を投入してボタンを押すだけだけど、ちょっと注意するポイントもあるのよ。
フランスパン(一斤)のレシピ
パン(今回は皮がカリっと固いフランスパン)1斤を作ります。準備する材料は以下の通りです。
話は逸れますが、私は長細い形をしているものがフランスパンだと思っていました。
小麦粉(強力粉)250g
私はホームベーカリーでパンを焼くようになるまで、パンが小麦粉から作られていることは知っていましたが、小麦粉に色々種類があることは知りませんでした。
パンには強力粉という小麦粉が必要です。普通のスーパーではあまり多くの種類は置いていないと思いますが、全く無いということもありません。
今回私はちょうど近所のスーパーで売っていた日清製粉のカメリヤという強力粉を使いました。
ちなみに、強力粉と薄力粉(間に中力粉もあります)の主な違いは小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の量です(強力粉が多く、薄力粉が少ないです)。
前に以下の記事にてお米の品種なんかにこだわったということを書きましたが、何故かパンの強力粉は色々試したことは無いんですよね。
小麦粉にもブランドはあるのよ。
小麦粉(薄力粉)30g
皮がカリっと固いフランスパンを焼くときは強力粉にちょっとだけ薄力粉を混ぜます。
薄力粉は恐らく誰でも見たことがある小麦粉ですね(有名なのは日清製粉のフラワー)。
バター5g
必須の材料ではないようですが、パンを「しっとり」、「ふっくら」させるのに油脂が必要なようです(入れないとぱさぱさで固いパンになるようです)。
油脂なので特にバターである必要はないのですが、パンにはバターというセット感から私はバターを入れることが多いです。
ちなみに油脂は入れたほうが美味しく仕上がるのですが、発酵を阻害する働きもするようで、本来ならちょっと後で入れたほうが良いみたいです。私は気にせず最初から入れちゃってますが。
油脂はバターの他にもオリーブオイルなんかを使うこともあるわ。焼き上がりの香りが変わってくるのよ。
塩5g
塩は基本中の基本の材料のようです。
なので入れずに作ったことは無いのですが、調べたところ味付けという意味以外に、生地の腰を出すのに必要なんだそうです(結果ふっくら焼ける)。
ちなみに私は料理には岩塩を使っているため、それをそのまま使っています。
この岩塩はコストパフォーマンスが非常に良く、重宝しています。
水210ml
実は超重要な材料です・・・
いや、入れるのは当たり前なんですが、重要なのは温度です。
パン生地の1次発酵の適温とされているのは27~30℃です。
夏場だとこれを超えやすいんですね。なので夏場は冷水を使ったりします。発酵が上手くいくか行かないかでパンの仕上がりは全然違いますからここは重要だと思います。
ちなみに冬場はホームベーカリーが適温に温めてくれるから失敗はありません。
流石に冷却機能はついて無いのね。
材料セット&調理スタート
上記の材料を一気にホームベーカリーの釜に入れます。
私が持っているPanasonicのホームベーカリーはドライイーストを後から入れることが出来るタイプです。
ドライイースト(2g)はホームベーカリーの所定の部分に入れておきます(写真中央の丸いくぼみに入れます)。
ここまでセットしたら後はボタンを押すだけです(焼き上がり時間を予約したり、焼き色の調整をしたりもできます)。
ドライイーストを最初から入れておくと過発酵になったりするみたいなので、この辺をメーカーが工夫しているみたいです。私が購入した当時はこの機能はPanasonicのものにしかついていませんでした。
ちなみにドライイーストを投入するときの機械音は結構大きくて、朝焼けるように予約して寝ると、夜中に飛び起きることになるわよ(キッチンとベッドルームが近い間取りの人は要注意)。
調理時間は結構長め
機械の設定によって「早焼き」とか「食パン」とかのメニューがあるのですが、今回チョイスした「フランスパン」はスイッチを押してから焼き上がりまで6時間半ほどかかります。
機械はずっと動きっぱなしではなく、「1次発酵」や「2次発酵」の間は止まっていますので、ずっとこねるモーターの音がするわけではありません。
「早焼き」が最速で2時間ね。
同じ主食のご飯とはかなり時間が異なります。”食べたい”と思ってから準備するような性格のものではなさそうです。
約6時間経過・・・
あれ?
なんか全然膨らんでないぞ・・・
あれれ?
焼き始めちゃった・・・
十分に膨らまずに焼きあがってしまいました。
発酵させるときの温度(室温)が高すぎたのかも・・・
ドライイーストが何年も前のやつだったからかもね。
ということで、久しぶりに焼いたパンは見事に失敗してしまいました。
ちょい固かったけど、美味しかったよ。
次回は成功させるわよ。
後日追記:リベンジしました
上記の失敗を受けて、この失敗したパンを食べ終わった後にリベンジしました。
今回は朝焼きあがるようにタイマー予約をして寝てしまったので途中経過は分からないのですが、朝起きてみるとこんな感じに。
上の写真と比べれば一目瞭然だと思いますが、良く膨らんでますね。
私はパンを食べるときはソーセージや卵をはさんで食べることが多いのですが、焼き立てに限って言えば蜂蜜を垂らして食べるのが好きです。
特に最初の一切れは耳が香ばしくてお菓子のような感覚ですから甘い方が合うような気がします。
ちなみに、前回失敗時と比較して改善した点は以下の通りです。
- 小麦粉(強力粉)を冷蔵庫で冷やした
- 水も冷蔵庫で冷やしたものを使った
- ドライイーストを新品に変えた(買った時期は同じ数年前なんですが未開封のものがあった)
- 意図して変えた訳ではありませんが、室温がちょっと下がった
上手く焼けたことで第2次マイブームが到来するかもしれません(後日追記:この記事を書いた後は2年以上ずっと焼いています)。
涼しくなったこともあって、その後5回くらい焼いたけど失敗は無いわね(後日追記:慣れたら夏場でもほぼ失敗はしなくなりました)。
ホームベーカリーで焼いたパンのトータルコスト
久しぶりのパン焼きとなった今回はちょっと失敗しちゃいましたが、ホームベーカリーでパンを焼くと1斤当たりいくらで作れるのかを計算してみました。
やっぱり気になるコストパフォーマンスのお話よ。
材料費(一斤分)
食事の「コスト」といえばまずは「材料費」ですね。今回は以下のものを使いました。
- 強力粉250g・・・81円
- 薄力粉30g・・・8円
- バター5g・・・11円
- 塩5g・・・4円
- 水・・・0円(流石に水道代から計算するのもあれなので)
- ドライイースト2g・・・10円
材料費は合計114円ですね。
材料費は塩以外は近所のスーパーで購入した価格(税込み)から計算しています。
小麦粉は10kg単位とかで買えばもっと安くなりますが・・・流石にそこまではする予定はありません。
電気代
ホームベーカリーは電気で動きます(当たり前?)
で、気になる方もいるかもしれないのが電気代ですね。なにせ電気で加熱するのってガスなんかと比べるとコスト効率が悪いことが多いですからね。
ということでワットチェッカーを使ってホームベーカリーで食パン1斤を作るのに使った電力を測定してみました。
季節(外気温)によって多少の変動はあると思いますが、実測値は0.31kWhでした。
東京電力の2段階目(120~300kWh)の電力単価26.46円/kWhで計算すると約8円です。
まぁ思ったより安かったかな?
一応ネットで他の人の記載も見てみたけど、大体この位みたいね。
ホームベーカリーの償却費
一番計算が難しくて、どんぶり勘定になってしまったのが償却費です。
コストの面からホームベーカリーを買うかどうか悩んでいる人はこちらが一番気になるポイントだと思います。
ホームベーカリーを一回動かすのにいくらかかるかってことです。
ホームベーカリーの値段と何回動かせるかで計算します。
ホームベーカリーの本体価格
ホームベーカリーの価格なんですが、私が購入したのは昔過ぎてアマゾンの購入履歴に記録がありませんでした。確か2万円位だったと記憶しているのですが・・・
まぁざっくりした計算になりますから、現在売っている機械の値段で計算してみます。
同じPanasonicで同じような機能のホームベーカリーはこの記事を書いている時点では17,500円程度で購入できるみたいです(2024年時点で4万円近くするようになってますね)。
リンクが切れてたから久しぶりに検索したら今ホームベーカリーってかなり値上がりしたのね。
ホームベーカリーの寿命(何回使えるか?)
ホームベーカリーの寿命ですが、私はまだ1台を使い潰していないのでネットで調べてみました(ちなみに私のは購入してから10年以上経ちますがまだ普通に動いています)。
検索すると様々ですね。なんとなく週1,2回焼いていて5年は持つという意見が多いような気がします(釜のテフロン加工がダメになってくるみたいです)。
なので、週1.5回で5年とすると、390回は焼けるといった所でしょうか?
Panasonicのホームベーカリーについては釜だけを追加購入することができるので、もっと長く使えば1回あたりのコストはもう少し下がるかもね。
ホームベーカリーを1回動かすのにかかる費用(償却費)
ホームベーカリーの価格(17,500円)と稼働限界(390回)から計算するとホームベーカリーを1回動かすのに係る費用が出てきます。
ということでホームベーカリーの償却費は、17,500円÷390回=45円/回となります。
ホームベーカリーで焼いたパンのトータルコストは?
び、微妙な値段ね。スーパーで売ってる食パンって170円位じゃなかったっけ?(お安いのだと100円前後?)
まぁ焼き立ては物凄く美味しいからコストが同じくらいだとすればコスパは良いと言えるんじゃないかな?
ホームベーカリーのデメリット
ホームベーカリーについての記事なのに、表題の通りことさらデメリットだけを取り上げるのには理由があります。
というのはメリットは明確すぎるからです。
焼き立てのパンは美味しい!
コストがよっぽど高くならない限りメリットはこれで十分すぎるでしょ!
という訳で、ここではあえて私が感じたデメリットをいくつかご紹介します。
強力粉の入手難度
一つ目は強力粉の入手についてです。こちらは住んでいる場所によって変わってくると思います。
私が前に住んでいたところは都心のど真ん中だったので、近くにスーパーがありませんでした。
流石にコンビニには強力粉は置いていませんし、休みの日にちょっと遠くまで買いに行く必要がありました。独り暮らしだとネット通販も受け取りの問題であまり利用していませんでしたしね。
今は近くに大きなスーパーもあり、ネット通販も受け取りに何の支障もないのでこの問題はなくなりました。
ホームベーカリーで焼いたパンはカビやすい?
この問題はちょっと厄介です。それは自分で焼いたパンはカビやすいということです。
すぐカビちゃうから食べきれない!?
普通にスーパーで買ってきた食パンって梅雨時でも袋に入れて室温で放置してても1週間くらいはカビなんて出ませんよね?
それに比べるとホームベーカリーで焼いたパンって梅雨時なら3日も放置したらカビてきます。
一人だと1斤の食パンって3日じゃ食べきれませんから、だんだん焼かなくなっていくんですよね(ちょっと固くなりますが、冷蔵庫に入れれば解決します)。
ちなみに梅雨時以外は室温放置でも一人で食べきるまでにカビは出てきません。
メーカーのパンがカビないのは焼いた後、包装するまでカビのない衛生的な環境を維持するからだそうよ。
ネットで話題になったマク〇ナルドのハンバーガーが何年経っても腐らないというのとは話が違うのかな?
考えようによってはメリット!?
ただ、ものは考えようで、メーカーのパンがカビない理由が衛生的な環境に拠るものなのか、添加物のお陰なのか分かりませんが、自分で焼いたパンは間違いなく添加物が入っていません。
なので心安らかに食べることが出来ます(笑)
焼き立てに限って言えば、あれ程美味しいものはこの世に無いレベルよ。
薄く切れない(食べ過ぎ問題)
この部分はこの記事を書いたずっと後(かなりパンを焼いた後)に追記しています。
毎週のようにパンを焼いては食べてを繰り返していたらある日気付きました。
自分で焼いた食パンって薄く切れないことに・・・
そう、売ってる食パンのように6枚切とか8枚切にするのはパン切り包丁では難しいんです。
毎日食べる分だけを切っていたからしばらく気付きませんでしたが、私は1斤を5枚に切って食べていました。
普段6 or 8枚切を食べていたとしたら毎日ちょっとだけカロリー摂取量が増えてしまいますね。
思わぬデメリットだったわ。
【後日追記】この記事を書いたずっと後ですが、ドライイーストではなく天然酵母を自分で作ってパンを焼いてみました。ホームベーカリーで焼いたので興味のある方は是非ご覧下さい。
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