先日、地方に越してきてから初めて「訪問販売」を受けました。モノは電気(電力会社の切り替え)です。よくネットで広告を見ますがどの程度安くなるんでしょうか?そしてリスクは無いのでしょうか?それほど深く調べた訳では無いのですが、自分なりに検討してみました。
新電力への切り替えは節約になるのか?リスクは無いの?
私は半年ほど前に山口市に引っ越してきました。これまでも地方ならではかな?という「気付き」をこのブログに取り上げてきました。
そんなものの一つに「訪問販売」があります。
都会に住んでいると嫌という程来る「訪問販売」ですが、地方に住んでいると全く来ません。そういった職業がある事すら頭から消え去りつつありましたが、先日新電力会社の訪問販売員がやってきました。
ここまで足を運んでもらったのだから・・・と、ちょっとだけ話を聞いてみました。
前にちょっと考えたことがあったのですが、これをきっかけに今回改めて検討してみました。
自分の利用環境での検討なので、万人に当てはまるかは分かりません。
ホントに安いの?新電力会社の料金
色々なケースを想定すると大変なので、独り暮らしの自分の電力使用量を例にとって検討します。
自分の場合、かなり節約が進んでいると思うのですが、1カ月の電力使用量は春・秋が120kWh、夏が150kWh、冬場が200kWhといった感じです。現在契約している電力会社は中国電力です。
比較対象は先日訪問販売員がやってきたソフトバンクの料金とします。
単価の比較
最近、電力料金の明細って紙のものがポストに入っていることがなく、ネットで自分で見に行かないと分からないですよね?(引っ越し前の東京電力もそうでしたが全国的なものでしょうか?)
なので電力料金がどういった構成になっているか知らない方もいるかもしれませんのでざっと記載しておきます。
あくまでも一例ですが、私が従来使っている中国電力の電力単価と新電力(ソフトバンク)の単価を比較すると若干新電力の方が安いように見えます。
でも、これ計算すると分かるんですが、ひと月の電力使用量が390kWhを越えないと料金は安くならないんですよね。多くても200kWhしか使わない我が家では月に数十円といった単位ですが割高になります。
あの訪問販売員の方は熱心に「安さ」をアピールしていましたが、何が安いんでしょうか?
安さの源はキャンペーン・・・でも違約金もあり
携帯電話のケースに似ていますが、後発の事業者が既存の大手事業者のシェアを奪う時は料金を安くしなければ誰も見向きもしません。でも、携帯も電力も既存大手事業者のインフラを利用させてもらうという事業形態から料金の引き下げには限界があります。
そこで出てくるのが「最初の〇カ月は無料」といったキャンペーンです。
やってきたソフトバンクの販売員も「最初の2カ月は無料」という点を猛烈にアピールしていました。確かに2か月分なら我が家の(年間平均)電気料金で考えると7,000円の値引きとなり、結構な額になります。
これが毎年という事なら大歓迎・・・なんですが、最初だけです。
電気は生きてる限り使いますから、10年、20年単位で考えたら微々たる額とも言えそうです。
ちょっと使ってすぐ解約しちゃえばいいんじゃない?
甘いね~こういう値引きをしている時は契約解除時に違約金がかかることを疑おうよ。調べたらソフトバンクの場合、「更新月以外で解約する場合」に事務手数料と合わせて5,500円かかるから当初の割引はほぼチャラだよ(こういうところも携帯と似てますね)。
新電力にリスクは無いの?
あくまでも私の場合ですが、上記の通り新電力会社に切り替えるコストメリットはあまり無いようです(もちろん元の契約や使用量によっては大きなメリットがあるケースもあるとは思います)。
では逆にリスクは無いのでしょうか?
気になる「燃料費調整額」
上でちらりと触れた電気料金に含まれる「燃料費調整額」ですが、こちらは発電に使う燃料(石炭・石油・天然ガス)の価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。
これ、毎月見てると分かりますが結構大きく変動しています。
この「燃料費調整額」がどのように算出されているかは大手電力会社の場合、HP等に詳細が書かれています。結構複雑なので私もサラッと目を通すくらいしかしていませんが、燃料の価格変動のみが反映されるようになっているようです。
この仕組みは新電力会社にもあります。しかし大手電力会社とは異なり、算出方法は公開されてないようです(概念しか書いてありません)。
一般的には同じエリアの既存電力会社と合わせていることが多いようなのですが、それも明言はされていません。
要するに不明瞭な料金が含まれてるってことです(約款なんかには書いてあるかもしれませんが、HPなど誰もが見るであろう所には一切書いてありません)。
訪問販売員に質問しましたが回答は得られませんでした(「安い」、「お得」としか言ってなかったような・・・???)。まぁ知らないんだと思います。
ネットを見てるとこの「燃料費調整額」をいじって料金を安く見せる(電力単価を安くして燃料費調整額を高くする)ことが出来てしまうことを指摘してる人もいるわね。
そもそも昨年電力料金が急騰したケースがあったはず
新電力(販売)会社は独自で発電所を持っていたりと、電気の調達先をきちんと確保しています。そして市場(日本卸電力取引所:JPEX)で余った分は売り、足りない分は買うということもしています。
市場で取引されている電気の価格は燃料費でも変動しますが、需給の影響も受けるので従来の電気の価格より大きく変動します。
昨年の1月にはコロナ禍での需要増によって250円/kWhを越えたこともあったようです(コロナ前は10円前後で推移)。上の方に書きましたが電力料金の単価は大体20~30円/kWhなのですから、250円/kWhで仕入れたら赤字になります。そうなった時、企業側がコスト負担をしてくれるのでしょうか?
その回答として一つ例があります。
「安いと思っていた新電力の電気料金が突如数万円に急上昇した」といったニュースを記憶している人もいるのではないでしょうか?
それは新電力会社の中にこの市場価格に連動して料金を決定するシステムを持っている会社があったから起こったことです(こういった料金体系を持った会社は少数派のようではありますが・・・)。
上記の様に電気の市場価格の変動を100%価格転嫁する会社は少ないものの、大なり小なり市場で電気を取引している場合、この市場価格の変動は料金に影響するはずです(もしかしたらこうした価格変動も「燃料費調整額」に含まれるのかもしれません)。
ただこういったリスクに関する話はHP等に一切書いて無くて全く分からないんですよね。
私は基本的にこういう曖昧な部分があった場合「胡散臭い」と思うことにしています(自分のことは棚に上げるけど)。
私の結論:大手電力会社のままで良いんじゃない?
上記の通り、あまり詳細に検討した訳ではありませんが、新電力会社に乗り換えるのは、たいして安くならない割にリスク(よく分からない事)が多くて私はメリットを感じられませんでした。
そもそも電気ってインフラの中でも現代では最重要なものですし、供給や価格が安定していることが絶対条件です。
料金が倍半分違うとなれば話も変わってきますが、わずかな違いなら大手と契約していた方が安心なんじゃないかと私は思いましたね。
オイルショックとか、戦争があっても料金が急騰しなかったという実績もありますしね。
新電力会社は歴史が浅いから戦争などの突発的な事態が起こった時の料金変動が読めないのよね(上述の通りコロナで急上昇した会社もあったし)。
コメント
訪問販売はしらんけど、普通にキャンペーン渡り歩くのが得
比較サイトみてみ
いままでやってなかったこと後悔するから
とおりすがりさんコメントありがとうございます。
ブログにはソフトバンクのことしか書いてないのですが、自分の電気使用量を12か月分入力して一番安い電力会社を見つけてくれるというシミュレーションもやってみたんです。
その結果、1番安くなると出てきたのはソフトバンクでした。
その他の電力会社も基本的に同じで、電気料金自体は値上がりして、初期キャンペーンの分安くなるという結果でした。
思うに独り暮らしとか、電力使用量が少ない世帯って新電力会社のメインターゲットじゃないんじゃないですかね?(明らかに利益が薄そうですしね)
ただ、仰る通り違約金が発生しないように渡り歩くとお得ですね。
私はそういうの忘れちゃう質なので現状維持ッて感じではありますが。
忘れちゃうなら仕方ないね
受け取り期限とかあるし
毎年か半年に一度1万円前後のお小遣いもらえるのにもったいないとは思う
一応節約の切り札として取っておくことにしますよ(笑)
取りあえず原油価格が落ち着いたらリスクも減りますからまた検討するかもです。