自炊で節約!いくらで出来る!?(ソフトドリンク編)

セミリタイア生活
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ソフトドリンクというとお酒の対義語で「ノンアルコール飲料」の事を指すことが多いと思います。ここではもう少し厳密に「アルコール分が1%未満の飲料」としておきます。今回はソフトドリンクを手作りしてみました。果たしてそのコスパや如何に?

ソフトドリンクの手作りとは??

今回は自家製酵母を使って市販のジュースをアルコール発酵させてソフトドリンクを手作りしてみました。

酒税法の関係でお酒は造れないからソフトドリンクにしたって訳。

手作り酵母の使い道?

以前、手作り酵母でパンを焼いてみました。その時作った酵母を他にも利用できないかとネット検索していたら面白そうなものを発見しました。

それは「手作りワイン」です。

ワインといっても原料はぶどうジュースで、これに酵母を加えて発酵させるというものです(原理は普通にワインを作るのと一緒)。

原料をぶどうジュースにするとワインになりますし、リンゴジュースならシードルになります。またその他のジュースでもソフトドリンクを作ることが出来ます。

本来ならフルーツを買ってきて果汁を絞って作ると美味しいものが作れるのでしょうが、コストがかかってしまいます。チリ産のワインが500円以下で売ってる現状では少なくとも「節約」にはならないので、今回はジュースをベースに作ってみることにしました。

日本の「酒税法」では、アルコール度数が1%以上の酒類を無許可で醸造することを禁じています(自宅で自分だけで飲んだとしても違法)。

なので今回はアルコール分が1%未満のソフトドリンクを作っています。

原料からアルコール度数を計算する方法は後述します。

酵母の作り方

まずは自家製酵母を作って行きます(酵母は市販の物を使っても良いですが、安く簡単に作れるので私は自分で作りました)。

こちらは以前ご紹介したものの使い回しです。

酵母作り① 仕込み

まず初めに何か適当な果物を買ってきます。

ネットで調べると「初心者はレーズンがお勧め」と出てきますが、私は梨で始めました。

酵母作りの手順は超簡単です(酵母”作り”と書いていますが、元々果物に付いている酵母を増やすという事です)。

  1. 買ってきた果物の皮をむく
  2. 果肉は普通に食べる
  3. 余った芯や皮を消毒済みの容器に入れる
  4. 入れたものが全部浸かる位の水を入れる
  5. 室温で放置する(20℃を超える位が好ましいと思います)

簡単だけど、ちょっとした注意事項もあるわよ。

<注意事項>

  • 酵母は果物の表面に付着しているので、なるべく洗わないようにする(心配な場合は軽く水で流す程度に)
  • 酵母が付いてるのは皮なので皮は使う
  • 酵母の餌は糖分なので、果肉以外の芯だけを使って糖分が不足しそうなときは砂糖等で補う
  • 水は水道水でも大丈夫だと思いますが、いったん沸かして塩素を抜いた水を使う
  • 酵母が増えるのには酸素が必要なので、1日に1,2回容器のふたを開け、空気を入れ替えてから軽く振ってやる

酵母作り② 完成基準

上記の様に、酵母作りというのは元々いた酵母を「増やす」ことなので、何をもって完成かという基準はありません。

ただ、酵母の数は多ければ多い程、発酵力が強くなるので勢い良く発酵し始めるまでは育てたほうが良いでしょう。

ちなみに酵母は糖分を食べて、エチルアルコールと二酸化炭素を作り出します。なので、良く発酵しているかどうかは二酸化炭素がどれだけ出ているかで分かります。

こちらは上記で仕込んだものの4日後の状態です。

炭酸飲料の様にシュワシュワ音がしていて、匂いも甘い香りが無くなってアルコールっぽい匂いがしました(私はこの段階で完成としています)。

ソフトドリンクの作り方

上に「酵母は糖分を食べて、エチルアルコールと二酸化炭素を作る」と書きましたが、これをそのまま果汁の中で行えばお酒(ワイン等)が出来る訳です。

具体的には100%のフルーツジュースを買ってきて、作った酵母を混ぜて何日か放置したらお酒が出来ます。

ちなみに何も考えずにこの手順を踏むと、出来た飲料のアルコール度数が1%を超えて「酒税法」違反となってしまいます。

ということで、ジュースの中の糖分の量からどの位のアルコールが出来てしまうか?そのアルコール度数を1%未満にするためにはどの位薄めてやる必要があるかを考える必要があります。

アルコール度数の計算の仕方

ここでは紙パックの100%フルーツジュース(1ℓ)を例に取って計算します。

1ℓのフルーツジュースに含まれる糖分はパッケージに記載されています(糖分ではなく、炭水化物として記載されていると思います)。単位はg(グラム)で書いてあるはずです(実際は100ml当たり〇mgといった記載になっている)。

原料やメーカーによって多少の幅はありますが、通常の100%ジュースだと1ℓ当たりの糖分は100g(糖度10%)前後になっているはずです。

計算の方法は下に書きますが、結論から言うと糖度10%のジュースに酵母を入れて発酵させると、アルコール度数は最大で6.5%になります。

<糖度からアルコール度数を予想する計算方法>

ここはすっ飛ばして結果だけ見ても良いかもしれません。

私は理屈が分かったほうがすっきりするから調べて自分で計算してみただけです。

糖分はエタノールと二酸化炭素に分解されます(化学式は書きませんが、1つの糖は1つのエタノールと1つの二酸化炭素になります)。

出来る分子の比率は1:1なのですが、分子量が異なる為、100gの糖分は51gのエタノールと49gの二酸化炭素になります(発酵が100%進んだ場合)。

なので、ジュース1ℓが完全に発酵するとその中には51gのエタノールが出来ているという事になります(実際は発酵が100%進むことは無いと思いますが、保守的に計算しています)。

ここで注意したいのが、アルコール度数は重量%ではなく、ボリューム%であることです(1ℓ(1,000ml)中にアルコールが51g含まれていた場合のアルコール度数は5.1%ではありません)。

アルコール51gは比重(0.789g/ml)で割って体積にすると約65mlとなります。

ということで1,000mlの中に65mlのアルコールが含まれることになるのでアルコール度数は6.5%となります。

糖度と予想されるアルコール度数の早見表を作ってみました。

海外に住んでいる人は100%ジュースそのままや、更に砂糖を加えてアルコール度数を上げたりしている人もいるようです。

ソフトドリンクの作り方(日本在住の場合)

上に書きましたが、一般的な市販の100%ジュースを発酵させてしまうとアルコール度数が6.5%と酒税法違反の領域に飛び込んでしまいます。

ということで、ジュースを薄めてから酵母を加えることになります。

仕込み

具体的にはジュースを6.5倍水で希釈してから酵母を足して発酵させます。

写真は左がホワイトグレープジュース、右がアップルジュースです。

ちなみに投入する酵母の量は適当です(作った酵母液の中にどれだけ酵母がいるか分からない為)。当然多い方が発酵が早く進むと思いますが、匂いや味の影響が大きくなります。私の場合、目分量で100ml程度投入しました。

投入する酵母は自家製ではなくパンを焼く時のドライイーストでも良いですし、ワイン用の酵母も市販されています(私は試していませんが、パン用のドライイーストは匂いの影響が強いみたいです)。

なんか薄めた割には妙にジュースの色が濃くない?(しかも元々色の薄いジュース選んでない?)

キッチンの照明の関係でそう見えるんじゃない?

発酵

上から2日が経過した所です。

泡立って元気に発酵が進んでいる様子が伺えます。

透明なジュースが発酵が進むにつれて濁ってきました。

この泡が出なくなったら発酵終了です(室温28℃位で9日位かかりました)。

酵母を増やす時は酸素が必要なので、たまに蓋を開けて新しい空気を送ってやりましたが、アルコールが存在する場合は酸素を使って酢を作る発酵も進んでしまうため、蓋は開けません(完全に密閉してしまうと発生した二酸化炭素で容器が破損してしまうので多少の空気が漏れる位にする)。

あと発酵中は暗所に置いといてね。

プライミングシュガー投入

スパークリングワインの様に炭酸飲料にしようとした場合、発酵終了後にペットボトルに移し替えて砂糖(500mlに対して3g程度)を加えてから密閉し、2週間ほど放置します。

ここでもアルコールは発生してしまうので、予め計算しておきましょう(500mlに砂糖3gを加えるとアルコール度数は最大0.4%上昇します)。

試飲

どうやら最初の発酵が完全に終わらない内にペットボトル詰めしてしまっていたようです。

物凄い炭酸が発生していました(市販の飲料で例えると、強炭酸飲料といった感じでした)。

飲む前にペットボトルがあり得ない位カチカチになってたから想像はついたけどね。

ちなみにお味の方は・・・結構美味しかったわよ(酵母が生きているから腸にも良いのよね)。

お勧めの原料

現時点で私が試したのは、以下のジュースです。

  • グレープジュース(カルピスのウェルチと普通の紙パックジュース)
  • ホワイトグレープジュース
  • アップルジュース
  • オレンジジュース(PONジュースと普通の紙パックジュース)
  • ミックスジュース

この中では特にホワイトグレープジュースとアップルジュースが美味しかったわよ。

オレンジジュースはなんか苦味が出ちゃいましたね。グレープジュースは普通にワインの味になりました。

手作りソフトドリンクのコスパ

ソフトドリンクとしてコスパを評価するのは比較対象が無く難しいので仮定の話として、お酒と比較してみます。

仮に100%ジュースをそのまま発酵させたとすると、アルコール度数が6.5%のお酒が出来上がります。

ぶどうジュースの場合だとワインになります。その原料費は紙パックジュースの場合100円少々です。これで約1ℓのワインが出来上がります。

一方、市販のワインは一番安いペットボトル入りのもので、750mlで400円程度だと思います。

味については実際に作ってないので言及できませんが、安く売っているワインと比べればそれほど悪くないものが出来上がるのではないでしょうか?

と、いうことはコスパはかなり高いってことね!

山口じゃなくて海外に移住したらお酒も作ってみようかな?

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