前々から興味はあったものの、かなりの時間を要することや発酵に用いる容器が無いといった理由から躊躇していた「味噌作り」に着手しました。この記事は仕込みが終了した時点で書いています。完成は半年以上先のことになってしまうので仕込みの工程を記録しておきます。
美味しい味噌を食べてみたい!
食の面から健康を考える際、外せないものの一つに「発酵食品」があります。
「発酵食品」は発酵する前の原材料に比べて体に良いとされているものばかりです。まぁそもそも「腐敗」という現象の中で人間に有益であるもののことを「発酵」と呼んでいる訳ですから「発酵食品」が体に良いのは当たり前なんですけどね。
ただ、「発酵」と一口に言っても用いる菌は様々ですし、菌によって引き起こされる化学的な反応もまた色々です。
そして数ある「発酵食品」の中には日本独特のものがあります。その代表格が味噌と醤油です。
私は味噌と醤油についてはこれまで普通にスーパーなどで市販のものを買っていました。というよりも、そもそも家庭で手作りできるような代物ではないと考えていました。しかしある時ネット上で手作りしている人がいることを知り、いつか挑戦してみようと思っていました。
元々体に良いといわれている「発酵食品」を添加物・保存料など一切無しで手作りする。さぞかし健康的で美味しいものが出来るんじゃないかな~?というのが今回の最大の原動力ですね。
今回は味噌を作ってみました(Project Miso)。
実は味噌を作る過程で、家じゃちょっと難しいかな?と思う点があって躊躇していましたが、作り方を工夫すれば行けそうと分かったので今回の挑戦となりました(この辺りは具体的に下の方で解説します)。
味噌作り開始!
早速味噌を作った工程を順を追って解説していきます。
ちなみに現時点では仕込みが終わっただけなので味噌は完成していません。もしかしたら1か月後にはカビだらけになって失敗ということになっているかもしれません。
材料調達
味噌の材料は極めてシンプルです。今回私が用意したのは以下の通りです。
- 大豆・・・1kg
- 米麹・・・1kg
- 塩・・・500g
写真には塩を入れ忘れました。
近所のスーパーでは1kg単位では売っていなかったので大豆と麹は通販で購入しました。
実はこの「量」に落とし穴があったわ。
下準備
まずは大豆を洗います。まぁお米を研ぐようなイメージですね。
ちなみに鍋は5ℓは余裕で入る大きな鍋を使っています。
大豆を洗い終わったら、そのまま水に浸して一晩置きます。
大豆は水を吸うので途中様子を見て水が足りなくなったら足してみたいなことを何度かしました。
このまま1日放置します。
翌日・・・結構膨らみますね
大豆は水を吸うと倍くらいに膨らむとネットにはありました。でもその膨張率は想像を上回りました。
ちなみに水に浸した時間は約20時間。一つ取り出して割ってみて芯が残っていないかを確認しました(恐らく必要な時間は季節によって違うと思われます)。
この辺りで大豆1kgで作る味噌の量について不安を感じ始めました(実はあまり考えていませんでした)。
大豆が1kgで麹も1kg、塩が500gでプラス水・・・出来上がりって4~5kgになるんじゃない?
大豆を茹でます
一日水に浸けているだけでも多少灰汁は出ましたが、茹でると物凄く出てきます。沸騰させたら弱火にしてじっくりと茹でていきます。
ちなみにネットでは5時間くらい茹でるなんて書いてあるものもありましたが私は3時間ほどで柔らかくなりました。
指でつまんで軽く力を入れただけで潰れるくらいの柔らかさになればOKみたいです。
ってか普通のガスコンロだと3時間も火をつけっぱなしにすると警告音が鳴って火が消えちゃうわよね(何度かつけたり消したりを繰り返した方が良いかも)。
麹の塩きり
この工程はそれほど時間がかからないので事前にではなく、大豆を茹でている時「そろそろいいかな?」位のタイミングで行えばOKです。
米麹と塩を混ぜることを麹の塩きりというそうです。
まぁさらっと混ぜるだけだし容器は・・・
ん?こう見ると結構な量だな。
これまで塩を500gも計量したことはありませんでしたが、計ってみると結構な分量です。
これを1kgの麹と混ぜれる容器って家にあったかな?
家にある一番大きなどんぶりに塩500g、麹500gを入れた様子。
もうあと麹500g残っているのにこの通り。
仕方がないので最終工程で使う予定のコネ鉢(直径36cm)に移して塩きりを実行。
混ぜ終わった状態のものを「塩きり麹」と呼ぶそうです。
コネ鉢は茹でた大豆を入れるのに使うので「塩きり麹」はどんぶりに退避。
家で一番大きなどんぶりでも塩きりすら出来ず。作る分量の多さを実感しました。
茹でた大豆の粉砕
大豆が十分柔らかくなったらまず最初にその茹で汁を300cc程取り分けて冷ましておきます。
こちらは最後の味噌の硬さ(水分量)を調整するのに使います。
ここでも量の問題が・・・
茹でた大豆の湯切りをするザルがありません。
上の写真のザルじゃ2,3杯分位ありそうです。
という訳で小さな網で掬って・・・
フードプロセッサーへ(ちなみに私は熱々の内にやっています)
滑らかなペースト状のものに結構大きめな粒が残った感じになりました。
細かくした方が発酵が早く終わるようですが、ちょっと粒が残った方が手作りっぽくて良いかな?と思いこの位にしました。
ちなみにこの作業は10回位行いました。
粉砕した大豆・・・うーん見れば見る程すごい量。
このまま大豆が人肌位に冷めるのを待ちます。
麹は”菌”だから高熱に弱いのよ(麹は70℃位で死滅してしまうようです)。そもそも手で混ぜるから冷めてないと混ぜれないしね。
茹でた大豆と塩きり麴を混ぜる
潰した大豆が人肌位まで冷めた所で「塩きり麹」と混ぜていくのですが、容器の大きさが・・・
一気に混ぜようとしたら溢れ出してしまいそうです。
・・・ということで徐々に塩きり麹を加えていくことにしました。
ちなみに大豆の方は十分水を吸わせた後に茹でているのでそれなりの水分を含んでいますが、塩きり麹の方はカラッカラです。
なのでそのまま混ぜるだけだと全体がパサついてきます。
ここで上の方でとっておいた大豆のゆで汁を使って水分量を調節していきます。
どの位の水分量(硬さ)が正解なのか分かりませんが、発酵の過程で水分が出てくるイメージがあったので市販の味噌などよりは水分少な目な感じにしました。
混ぜ合わせたものをこぶし大にまとめます。
なるべく空気が入らないよう、ハンバーグをこねる要領で叩いたりして成型します。
発酵準備
味噌っていうと最終的には樽に詰めて落し蓋をして、その上に重石を乗せて発酵させるイメージがありますよね。
実はこの工程が家の中では難しいかな?と思って味噌作りには二の足を踏んでいました。そもそも家には樽がありませんし、落し蓋だけじゃ匂いが漏れたり虫が寄ってきそうなイメージがありました。
ところがネットで良い方法を見つけました。
これで出来ると知って今回味噌作りに着手しました。
それがジップロックの中で発酵させるという手法です。
これなら密封できますし、場所も取りません。
万が一失敗となってもそのまま捨てることもできます。
なるべく空気が入らないよう、ジップロックの中で潰して伸ばしていきます。
入り口付近には腐敗防止用の塩をふっておきます。
量はバラバラですが3つ作成しました。
ちなみにこのジップロックのサイズはLです。
一つ一つの重さは既にキッチン用のものでは計れなかったので体重計でのざっくりした計測ですが1.5kg×3袋といった感じでした。
冷暗所にて保管(発酵)させるとあったので段ボールに入れて押し入れに保管しました。
今後は1カ月に1度くらい様子を見て天地返しをします。その際カビなどが生えていたらその部分だけ取り除きます。
大体半年~1年で食べ頃みたいね。3つに分けたから半年後位からちょっとづつ食べて味の変化も楽しみたいわね。
手前味噌!?
「手前味噌」という言葉があるように、昔は各家庭で味噌を作っていたようです。
そしてその自分で作った味噌は(自分にとって)一番美味しいと思うから他者に自慢する・・・転じて「自分で自分を褒める」ことを指す言葉になったということです。
何が言いたいかというと、少なくとも自分は美味しく感じられる程度の味噌が出来上がる・・・と良いな~と。
腐りさえしなければ美味しいものになるはず!
結果は早くて半年後なのでゆっくり待つことにするわ。
<一応主題なのに最後になってしまいました。コストのお話>
今回作った味噌の材料費はこんな感じです。
- 大豆1kg・・・1,298円(通販)
- 麹500g・・・1,300円(通販)
- 麹500g・・・498円(近所のスーパー)
- 塩500g・・・139円(近所のスーパー)
合計:3,235円
大体4.5kg位できたので、100g当たりだと72円でした。
麹が2種類あるのは昔買って使ってないものが家に残ってたからよ(今値段を見たらかなり違うのね)。
ちょうど今家にあるスーパーで買ってきた味噌が750gで279円(37.2円/100g)だから「節約」って感じではなさそうですね。
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